受験生、二重の試練 コロナ禍「ずっとマスク、息苦しさ」 初の共通テスト「英語難しくなった」

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 初めての大学入学共通テストが16日、全国で始まり、本格的な入試シーズンが幕を開けた。31年続いた大学入試センター試験からの切り替えだけでなく、コロナ禍の影響も大きい。多くの受験生にとって、戸惑いの多いテスト初日になった。▼1面参照

 感染防止のため、試験会場では間隔をあけて座るとともに、昼食は自席で一人で食べ、トイレに並ぶ際にもソーシャルディスタンスの確保を求められた。

 東京都小金井市の東京農工大の試験会場では、休憩時間にトイレを待つ人の列が階段まで続いていたという。東京都板橋区の私立高3年の男子生徒(18)は「少し戸惑ったけれど、感染対策はしっかりされていたので、2日目もがんばりたい」。

 千葉大で受けた県立千葉高3年の大城快斗さん(18)は、コロナ禍で2カ月間、高校と塾が休みになったが、自宅で工夫しながら勉強してきた。「本来なら塾の方が集中できたが、コロナ禍での勉強方法も試せたと思う」と話した。

 感染防止策として、どの試験会場でも昼食は自席で取るよう指示された。大阪市に住む府立高3年の男子生徒(18)は「みんな席から立たず、一人で静かに食べていた」と話した。

 名古屋大で受験した東海高3年の阿部竜也さん(18)は昼食について「食べたらすぐマスクを着けるようにした。みんなも守っていたと思う。ただ、朝からマスクを着けっぱなしなので、少し息苦しさがあった」。

 昨年までのセンター試験と比べ、中身が変わったことへの戸惑いもあった。

 東京都江東区の東京海洋大の試験会場から出てきた都立小松川高3年の上原大河さん(18)は、英語のリーディングの問題をめくって驚いた。センター試験とは形式が異なり、問題文はより長文になったと感じた。「80分で問題文を読み終わるだけで大変だった」と困惑した表情だった。

 昨年、センター試験を受けた1浪中の男性(19)は「英語のリスニングが格段に難しくなった」。6問のうち4問が1回しか読み上げられなくなり、「一つの文章がすごく長文になった印象」という。

 一方で、日本史や世界史は資料を読み解くものが多かったため、解きやすかったといい、「すべての教科で知識よりも読解や思考力をみたいという出題者の意図を感じた」と話した。

 「センター試験とは大きく変わって難しく感じた」と言うのは、東京都練馬区の都立高3年の男子生徒(17)。得意な英語で、長文の読み取りに時間がかかり、見直しにかける時間の余裕がなかったという。「想定以上に長文が多く、早く読まないといけないと焦ってしまった」。リスニングの問題でも聞き取れない内容があり、「共通テストを想定した模試と比べても、難しく感じた。目標だった8割以上の得点はできないかもしれない」と話した。(渡辺洋介、佐藤瑞季、花房吾早子、佐藤剛志、阿部朋美)

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