中学入試、変わる風景 緊急事態宣言下、消えた人波

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 緊急事態宣言下の埼玉県で10日、首都圏では最も早い私立中学の一般入試が始まった。コロナ禍が続くなか、最寄り駅から受験校へ向かう人波や校門で激励する塾関係者の姿はなく、静かな受験風景に一変した。

 例年、初日だけで6千人以上が受験するさいたま市見沼区の栄東中では、午前7時半ごろから、初めて駐車場として開放した校庭に、受験生を乗せた車が次々と入った。神奈川県から来た父親(50)は「電車では感染も心配なので、ありがたい」という。

 今回は試験日も10日と12日の選択制に。会場も3校に分け、本校会場は午前9時と10時集合の2グループに分散させた。受験生は入り口で検温し、廊下で手指を消毒してから教室へ。アクリルパネルで3方向を囲んだ机の上には「合格祈願!!」と書かれたペン型除菌スプレーが置かれていた。ある子は「コロナで気分が落ち込んでいたけど、ちょっと元気が出た」と笑顔を見せた。田中淳子校長は「とにかく安全に受験を終えられることを祈りたい」と話した。宮坂麻子

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