(書評)『ブルース・チャトウィン』 ニコラス・シェイクスピア〈著〉

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 ■いびつな気品生んだ饒舌と才気

 軽い。四六判で900ページ近い大冊なのに、手にすると意外なほど軽い。その意表をつく量塊感と軽みとが、本書の描く作家の生涯によく見合う。

 ブルース・チャトウィンは1970年代から80年代を「彗星(すいせい)のように」という決まり文句さながらに駆け抜けた英国作家であ…

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