AIと人間 第45期囲碁名人戦挑戦者決定リーグ戦 第23局第1譜=訂正・おわびあり
第23局第1譜(1―33)
白 八段 一力遼(3勝1敗)
黒 九段 河野臨(2勝3敗)
(6目半コミ出し)
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ほぼ2カ月にわたる手合の中断が終わり、遅れを取り戻すべく各棋士はスケジュールが密になっている。たとえば河野臨。対許家元戦できわどい半目勝ちを収めたかと思ったら、4日後には一力遼との対局だ。6月は名人戦リーグだけで3局もある異常日程だ。
中断前の全勝対決で井山裕太に敗れた一力は出直しである。1敗を維持して井山にプレッシャーをかけたい。河野はリーグ落ちを免れるためにも、ここは勝ちたい。双方の気合が激突し、一風変わった序盤となった。
まず河野の黒3。1分の少考で早々と三々に入ったのは作戦だったか。そして黒13のコスミツケから15。ひと昔前なら叱られた打ち方だが、いまはAIの影響だろう、アマチュアでもまねをする。「棋士とAI」の著書がある解説担当の王銘エン九段は語る。
「人間はいろいろといきさつがあって、一つのところから見て全体を考える。AIは何も見ない(一つのところを見ない)で全体を見る。その違いです」
しかし人間だってAIに教えられて賢くなる。いい例がA方面にヒラかず、カカリを優先した白16だ。右下の白二子は攻められてもいい。場合によっては捨ててもやれると見ているのだ。
左上に移って、一力の白30は元気いっぱい。白B、黒C、白D、黒E、白Fなら普通だった。(春秋子)
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消費 黒 35分
白 20分
(持時間各5時間)
<訂正して、おわびします>
▼1日付の第23局第1譜で王銘エン九段の著書が「AIと棋士」とあるのは「棋士とAI」の誤りでした。
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