名人1勝、タイ 将棋名人戦七番勝負・第2局2日目=訂正・おわびあり

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 豊島将之名人(30)=竜王とあわせ二冠=に渡辺明三冠(36)が挑戦する第78期将棋名人戦七番勝負(朝日新聞社、毎日新聞社主催、大和証券グループ協賛)の第2局は19日、山形県天童市の天童ホテルで2日目が指し継がれ、午後9時44分、豊島名人が158手で勝った。終盤は双方に勝機が訪れる大熱戦。対戦成績は1勝1敗のタイになった。

 持ち時間各9時間のうち、残りは双方1分。第3局は25、26日に東京都渋谷区将棋会館で。

 名人が18日夕に選択した封じ手は、敵陣への攻めを見越した△7三桂だった。にらみ合いの後、先手の飛車の横利きが止まったタイミングでの△8八歩(60手目)が機敏な好手で、後手が駒得に成功した。

 ▲4四角(75手目)は駒の損得より角の働きを重視した手で、挑戦者はこれに期待をかけた。だが、角を入手した名人の反撃が的確だった。△4五角(92手目)の王手が厳しく、自陣で眠っていた角を活用する△7三角(100手目)も絶好の一手。終盤、混戦になって後手の玉も窮地に立たされたが、△4一飛(152手目)が冷静な一手で名人が流れを再び引き寄せた。終了図以下、▲8五玉は△9四金▲7四玉△4四飛までの詰み。

 解説を務める副立会人の千田翔太七段(26)は「劣勢の渡辺挑戦者が追い上げましたが、チャンスを逃したと思います。豊島名人の辛勝でした」と話した。村瀬信也

 <豊島名人の話> 「1分将棋」になってわからなくなった。▲5二成桂(153手目)の局面で、正確に指せば勝ちだと思った。

 <渡辺挑戦者の話> 早い段階で力戦になったのは、予定ではなかった。終盤はチャンスが来たところがあったかもしれない。

 〈2日目の指し手〉先手・渡辺挑戦者 △7三桂(封じ手=52手目)▲6六角△6二金▲5九金△5四歩▲3七銀△3四銀▲3六歩△8八歩▲同金△7六桂▲8七金△6八桂成▲同金△2四歩▲3五歩△同銀▲2九飛△3六歩▲2六銀△同銀▲3四歩△5一角▲4四角△2五歩▲7四桂△5三金▲1一角成△2二銀▲1二馬△2三銀打▲3三香△1二銀▲3二香成△3七歩成▲6六歩△4七と▲6七玉△8五歩▲7六金△4五角▲5六金△3四角▲8五歩△同桂▲4五歩△5五歩▲同金△7三角▲8六歩△5五角▲8五歩△8一飛▲2二成香△同角▲7七玉△4五角▲3三歩△8六歩▲同金△5四香▲6五桂△5七と▲4六歩△5六角▲4五桂△4三玉▲5三桂右成△3三玉▲3九飛△3八歩▲5七金△2三角▲3四歩△同玉▲3八飛△3七歩▲5八飛△5七香成▲同飛△5六歩▲同飛△5五金▲同飛△同角▲4五金△2四玉▲3四歩△4七飛▲7六玉△5六金▲6九香△1一角▲4三成桂△4四歩▲3三歩成△4五歩▲2三と△同銀▲3六歩△4一飛▲5二成桂△6六角▲8四歩△9九角成▲8二桂成△9八馬(終了図)までで、豊島名人の勝ち

 <訂正して、おわびします>

 ▼20日付社会面の将棋名人戦第2局の記事で、「2日目の指し手」の145手目で「▲4三成香」とあるのは「▲4三成桂」の誤りでした。

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