(書評)『アジールと国家 中世日本の政治と宗教』 伊藤正敏〈著〉

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 ■寺社が後押しする民衆の「実利」

 アジールは避難所、無縁所などと訳される。江戸時代駆け込み寺はそのいい例である。夫の暴虐に耐えかねた妻が息も絶え絶え、寺に駆け込む。門前で追っ手に捕まりそうになっても草履や櫛(くし)を投げ込めば、縁切りが達成されたという。

 駆け込み寺だけではない、「都市の空気…

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