(古典百名山:71)与謝野晶子「みだれ髪」 平田オリザが読む

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 ■女性の心情伝える新たな武器

 一九九八年、俵万智さんが与謝野晶子の『みだれ髪』を「チョコレート語訳」と称して出版をした際に、小さな議論が起こった。すなわち、まだ初版から百年にも満たない作品を現代語訳する意味があるのかというのだ。

 いくつかの訳を見てみよう。

 やは肌のあつき血汐(ちしほ)にふれ…

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