久しぶりに日本銀行の金融政策の話をしたい。というのは、日銀の１０月末の金融政策決定会合を巡り、日銀と日銀ウォッチャーの間でちょっとした行き違いがあったからだ。背景を推理すると、市場を手玉に取る日銀の狡猾（こうかつ）さが透けて見える。

　話は夏場にさかのぼる。日銀は７月会合後の声明で「先行き、『物価…