(書評)『74歳の日記』 メイ・サートン〈著〉

有料記事書評

[PR]

 ■小さな喜びがもたらす豊かさ

 病を得て気づくことがある。心臓病に苦しむ著者は、自宅の階段を上る途中で息が切れてしまう。だがふと目を向けたポーチで光が変化する様子を、一時間も見ていられる。

 あるいは長椅子に寝転がりながら、青いガラスの花瓶に活(い)けたシャクナゲの白い花が、午後の光に浮かぶのを眺…

この記事は有料記事です。残り793文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

【お得なキャンペーン中】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら