(あるきだす言葉たち)二月 栗原洋一

有料記事あるきだす言葉たち

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ロシア兵墓地を

われわれ四、五人は肩を寄せ合い歩いた

暗澹として

言葉を失って

十六日桜はすでに遅くしかし

細い枝には幾つかの花片が残っていた

山越の長建寺の月の庭園

方丈に所在なくわれわれは座り

枯滝を寂寥のなかに眺めていた

墓地からは城山が見え

その下の旧市街が小さく見えた

「最後のお別れをしま…

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