「音で描く物語」生んだ感性とは 指揮者シャルル・デュトワ、ベルリオーズ「幻想交響曲」を語る

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 フランスの作曲家、エクトル・ベルリオーズ(1803~69)が没後150年を迎えた。代表作の「幻想交響曲」を先月、フランス音楽の演奏に数々の金字塔を残してきたスイスの名指揮者、シャルル・デュトワが大阪フィルハーモニー交響楽団と奏でた。「純粋に音だけで物語を描いた、史上初めての管弦楽曲」と語る「幻想」の本質とは。

 ■独創性の源は「国際性と知性」/本質にある「居心地の悪さ」

 シェークスピア女優への一方的な恋慕の情をインスピレーションの礎にし、自らの脳内を駆け巡る妄想世界を管弦楽で徹底して描くことで、新たな時代の響きの地平を切り開いたのが「幻想」だった。完成は1830年、ベートーベンの「第九」初演からわずか6年後。26歳の時の野心作である。

 ベルリオーズの驚くべき独創性の源を、デュトワは「異文化に偏見をもたず、柔軟にわがものとする国際性。文学を含む全てのジャンルに開かれた知性」にみる。

 「ベルリオーズの感性はゲー…

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