コメ高騰に憤り・デジタル社会に戸惑い…「サラ川」上位10句決まる

伊沢健司
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 第一生命保険は29日、2024年の「サラっと一句! わたしの川柳コンクール」(サラ川、旧サラリーマン川柳コンクール)の上位10句を発表した。1位は「AIの 使い方聞く AIに」(雅号・七夕するめ=30代)だった。

 ほかにも、デジタル社会に対する戸惑いやコメ価格の高騰への憤りなど、暮らしの悲哀をユーモアを交えて詠んだ句が上位に入った。

 全国から応募があった約5万2千句の中から、まず第一生命の社員による社内投票で優秀作100句を選出。その後、約6万9千人の一般投票で順位を決めた。

 29日の発表式に出席した「サラ川ご意見番」のやくみつるさんは、1位の句で詠まれたAI(人工知能)について「AIに懐疑的な人もいて、私もその口だ。漫画を書かせるのは人間様の足元にも及ばないと思っている」と語った。それでも「外堀を埋められているような気がしている。1位の句が支持されたのは、AIに距離を置いている方々に共感されたからではないか」と講評した。

2024年「サラ川」上位10句

1位 AIの 使い方聞く AIに

2位 久しぶり 笑顔は出るが 名前でず

3位 セルフレジ 母に店員 二人付く

4位 妻描く 老後プランに オレ不在

5位 何食べたい? 言った料理は 出てこない。

6位 下がらない 米の値段と 血糖値

7位 パスワード 恐る恐るの 三回目

8位 「いい値」だね 「いいね」と言えぬ 物価高

9位 電気代 あまりの高さに 暗くなる

10位 面くらう 米の高値に 麺喰(く)らう

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  • commentatorHeader
    杉田菜穂
    (俳人・大阪公立大学教授=社会政策)
    2025年5月29日23時13分 投稿
    【視点】

    AIとか物価高とか、<時代の気分>を掬い上げている。見事に。

    …続きを読む
  • commentatorHeader
    田中宝紀
    (NPO法人青少年自立援助センター)
    2025年5月30日11時53分 投稿
    【視点】

    作者の方々のするどい感性と言葉の力に、驚かされています。「サラ川」は少し自虐的な(特に家族や夫婦関係)ユーモアのある作品の印象が強いのですが、今年は特に社会の状況を憂うような作品が多いようですね。これから先の「サラ川」に選ばれる作品がどのよ

    …続きを読む