トライ「あってはならない誤り、見落とした」 公開教材の水俣病説明

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田中久稔
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 「家庭教師のトライ」を運営するトライグループ(東京)が、「水俣病は遺伝する」という誤った内容の教材をオンライン講座で使っていた問題で、同社が26日、朝日新聞の取材に応じた。この教材は2015年に作成し、16年2月から無料で公開していたといい、改めて関係者に向けて陳謝した。

 教材は、同社の映像学習サービス「Try IT」の中学歴史で、四大公害病を動画と文章で説明するもの。水俣病は遺伝しないが、「この病気が恐ろしいのは、遺伝してしまうことです。妊婦さんが水俣病にかかり、生まれてきた赤ちゃんまでもが発症することがありました」と記していた。

 高橋義定専務取締役が取材に応じ、「あってはならない事実と異なる誤りであり、社内チェックで見落とした。大変申し訳ない」と述べた。教材はこれまで約7万回再生されたという。

 説明によると、社内の教材担…

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この記事を書いた人
田中久稔
西部報道センター|警察・遠賀・京築・水俣病担当
専門・関心分野
水俣病、公害、自然災害、貧困、差別、軍事
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    末冨芳
    (日本大学文理学部教授)
    2025年5月27日8時4分 投稿
    【視点】

    【取り返しのつかないミス、水俣病患者の人権を蹂躙した企業に子どもの人権は守れるか?】2015年からこのような教材を使っており、社内の誰ひとり記述が誤っていることに気づかなかった、トライの教育産業としての企業価値を大きく下げた事案です。 お

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