「余っているなら分けてくれ」 辞任の農水相、コメ高騰の市民逆なで

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染田屋竜太 奥正光 山田暢史 渡辺洋介
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 「農政通」として歴史的な米価高騰への対応を期待された江藤拓農林水産相が21日、更迭された。新米が出回っても、備蓄米を放出しても米価は下がらず、最後は消費者の感情を逆なでする自らの失言で退いた。

 「余っているなら分けてくれというのが本音です」

 東京都目黒区の「フードバンク目黒」の平瀬栄治理事長(71)は、そう漏らした。

 寄付を頼りに、原則月2回、計3キロのコメなどを約200の困窮家庭に配ってきた。だが、コメ不足のあおりで、4月から大口の寄付がなくなり、個人からの寄付も減った。今月末には倉庫のコメが尽きる見通しだという。

 やむを得ず、コメの配布を1人2キロと、3割減らし、支援先もより困っている人に絞った。それでも「コメをいただきたい」という声は絶えない。

 江藤氏は佐賀市内の会合で、「(コメは)家には売るほどある」と述べた。平瀬さんは「明後日の食べ物すら確保できていない人もいる。(発言は)とても残念だ」と話した。

「人の命を国の支援が握っている」

 65団体が加盟する全国フー…

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この記事を書いた人
染田屋竜太
東京社会部
専門・関心分野
事件・事故 国際ニュース(アジア)
山田暢史
東京社会部|メディア担当
専門・関心分野
農林水産業、食、武道、災害
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