トランプ関税、結局は何%なの? 車、酒、牛肉…日本から輸出すると

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ワシントン=榊原謙 高野遼
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 「トランプ関税」はとても複雑だ。まず、物品ごとに以前から設けられていた税率が土台にある。そこに、物品に応じて税率の異なるトランプ関税が上乗せされる。結局どのくらいの税率が課されるのかは極めて分かりづらい。日本から米国に輸出される代表的な工業品と農産物を例に、実際の税率を計算してみよう。

乗用車

 日本の対米輸出額の約3割を占め、最重要の輸出品が乗用車だ。米国はもともと、輸入する乗用車には2.5%の一般関税をかけてきた。

 だがトランプ氏は、輸入車が増えて米国の産業や雇用が脅かされてきたと主張。高率の関税をかけて輸入車を割高にし、米国内での乗用車生産を増やすもくろみから、4月に輸入車に25%の追加関税を発動した。

 これにより、日本から輸出する乗用車には、従来の10倍以上の合計27.5%の関税がかかっている。米国に輸出して稼いできた日本の自動車メーカーには大打撃だ。

 一方で、ほぼ全ての国・地域からの輸入品にかける「相互関税」は、乗用車には上乗せされない。品目別にすでに関税が課されていたり、今後課される予定だったりする物品には、相互関税は適用しないとしたためだ。

鉄鋼

 トランプ氏は、輸入する鉄鋼…

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この記事を書いた人
榊原謙
アメリカ総局|米国経済担当
専門・関心分野
米国経済、世界経済
高野遼
アメリカ総局
専門・関心分野
国際ニュース
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