米中交渉が先に進展、日本へ影響は 「漁夫の利」期待感もあったが
米中両国は12日、互いに掛け合ってきた高関税を90日間、115%ずつ引き下げると発表した。米国の対中追加関税は145%から30%に、中国の対米追加関税は125%から10%になる。トランプ米政権の発足後、関税の応酬で高まっていた両国の貿易をめぐる緊張は緩和に向けて動き出す。
世界経済に多大な影響を及ぼす米中の関税交渉が進展を見せたことで、トランプ氏が「最優先」と述べていた日米交渉の先行きにも、影響が出る可能性がある。
石破茂首相は12日夕、国会内で開かれた自民党役員会に出席。8日の米英合意に続き米中が合意したことに触れ、日米交渉について「国益を確保し、きちんと成果を残せるようにのぞみたい」と発言した。その後、首相は影響を尋ねた記者団に「(米中の合意を)今精査して、内容を確認しているので、お答えはできない」と述べた。
首相は日米交渉の合意時期について、11日の報道番組で、米政権が90日間と設定した相互関税上乗せ分の猶予期間が終了する7月9日が「一つの目安」と述べた。7月初旬に想定される参院選公示日と重なることから、首相には「高関税措置の回避」という政権の実績を選挙でアピールできるとの思惑もある。複数の政府関係者によると、首相は周辺に「急いで合意する必要はない」との考えを伝えている。
政府内では「米中のけんかは…