湿布は「母ちゃんの匂い」バンド活動の漁師が語る、患者と家族の辛苦

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田中久稔
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 国籍不明のエキゾチックな衣装とメイク。リズミカルでどこか懐かしいオリジナルの歌。方言丸出しのトークと、体を張って取りにくる笑い。熊本県を中心に活動し、「一度見ると、また見たくなる」と評判のコミックバンドがある。

 3人組の「やうちブラザーズ」。その一人が5月1日、不知火(しらぬい)海の海辺にいた。気付くのは難しい。おなじみの口ひげ姿でステージでおどける、あの人だとは。

 仲間やファンに「みいちゃん」と呼ばれる杉本実(みのる)さん(58)。素顔は代々続く漁師。経験と腕を頼りに、やうち(地元で「身内」の意味)で力を合わせ、イワシを追う。優しげな細い目は、漁のときは鋭くなる。

 この日の顔つきも違った。水…

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この記事を書いた人
田中久稔
西部報道センター|警察・遠賀・京築・水俣病担当
専門・関心分野
水俣病、公害、自然災害、貧困、差別、軍事