参院議員秘書が呼び出した記者に性暴力 国に440万円の賠償命令

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黒田早織 森下裕介
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 参院議員の公設秘書だった50代男性(故人)から性的暴行を受けたとして、報道機関の元記者の女性が国に1100万円の支払いを求めた訴訟の判決が24日、東京地裁であった。中村心裁判長は性的暴行があったと認定。国家公務員である公設秘書の職務上の不法行為は国が賠償責任を負うことから、国に440万円の支払いを命じた。

 判決によると、男性は当時、前埼玉県知事上田清司参院議員=無所属、埼玉県選挙区=の公設秘書で、元記者は政治を取材していた。元記者は2020年3月24日、元秘書らが参加する会食に同席して新型コロナ対策について取材。27日にも「情報提供する」として元秘書に呼び出され2人で会食した。

 元記者側は訴訟で、24日の取材帰りのタクシーの中で、元秘書から体を触られたほか、27日の会食で飲酒した後も、近くのホテルに連れ込まれ性的暴行を受けたと訴えた。国側は訴訟で、性的暴行を裏付ける証拠はないと反論した。

 元秘書は、元記者の告訴により強制わいせつ罪などで書類送検されたが、直後に自殺し不起訴になっている。

 判決は「タクシーを降車後も…

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この記事を書いた人
黒田早織
東京社会部|東京地裁・高裁担当
専門・関心分野
司法、在日外国人、ジェンダー、精神医療・ケア
森下裕介
東京社会部|裁判担当
専門・関心分野
司法、刑事政策、人権