正倉院の「竜のミイラ」正体判明、「象牙」も実は… 動物学者ら分析

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今井邦彦
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 世界遺産正倉院奈良市)に伝わる動物の角や骨で作られた宝物、薬の原料として保管されてきた化石などを、動物学者らが詳しく観察し、種類を突き止めた。「虹龍(こうりゅう)」と呼ばれる動物のミイラも正体が確定。一方、象牙やトナカイの角とされていたものは、別の動物の一部とわかった。

 宮内庁正倉院事務所(同市)が23日、国立科学博物館東京大学総合研究博物館などの動物学者、考古学者らによる鑑定結果を発表した。

 「虹龍」は、頭から尾の一部までの長さが40センチほどの哺乳類とみられるミイラだ。1950年代の調査で、外見で観察できる歯の形からイタチ科のテンと鑑定されていた。ほかにも、数種類のミイラの断片が虹龍の一部として伝わっている。

X線写真で観察すると

 虹龍のミイラはいつから正倉院にあったのか。

 奈良時代の文献には虹龍は登…

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この記事を書いた人
今井邦彦
専門記者|歴史・文化財
専門・関心分野
歴史、考古学、文化財、サブカルチャー
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    田中知之
    (音楽プロデューサー・選曲家)
    2025年4月24日11時54分 投稿
    【視点】

    虹龍が何の骨かが判明したことよりも、"室町時代の記録には、この竜のミイラがあるために宝庫を開くときにはいつも雨が降ると書かれており、江戸時代ごろに「虹龍」と呼ばれるようになったとみられる。今回の調査でも、年代測定の準備で東京から研究者を招く

    …続きを読む