米国産コメ輸入拡大案が浮上、日米関税交渉 政府内外から早くも懸念

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谷瞳児 内藤尚志
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 米国の関税措置をめぐる日米交渉で、日本政府内に米国産のコメの輸入を拡大する案が浮上していることが22日、わかった。米側が交渉で並べ立てた農産品の品目にコメも含まれており、日本側は俎上(そじょう)に載せることを検討する。だがコメは日本の農業の「聖域」とされ、輸入拡大には与党や農家からの強い反発も予想される。

 米側はこれまで、日本国内のコメの輸入や流通のシステムを「規制が厳しく不透明」と指摘し、「障壁」だと批判してきた。トランプ米大統領も「日本は(米国産のコメに)700%の関税を課している」と事実と異なる数字を持ち出して不満を表明している。政府関係者によると、16日の日米交渉では、米側から肉やかんきつ類、ジャガイモ、コメなどについて言及があったという。

 政権幹部によると、政府は米国産のコメの輸入拡大が交渉材料の選択肢になり得るとみて、検討を進める考えという。

 政府は現在、世界貿易機関(…

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この記事を書いた人
内藤尚志
経済部
専門・関心分野
雇用・労働、企業統治(ガバナンス)、経済政策
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    市原麻衣子
    (一橋大学大学院法学研究科教授)
    2025年4月23日14時11分 投稿
    【視点】

    トランプの発言や、思いつき・理不尽と見られる政策にいちいち反応するのはやめた方が良い。トランプはとにかく自分たちに有利な取引をするために、それまで存在すらしなかった問題を作り出してきている。それをやめさせようと米国に妥協を持ちかけても、また

    …続きを読む