備蓄米、小売店に届いたのは0.3%のみ 3月の初回放出分調査
内藤尚志
農林水産省は18日、放出した備蓄米の流通先を調べた結果を初めて公表した。3月10~12日の初回の入札による放出分約14.2万トンのうち、同月30日までにスーパーなど小売店に届いたのは0.3%の426トンだった。トラック不足などで流通に想定以上の時間がかかり、米価を押し下げる効果が出にくくなっている状況が浮き彫りになった。
農水省は備蓄米放出の入札時に、落札した集荷業者と、そこから仕入れてスーパーなどに届ける卸売業者に、売却先を報告するよう求めている。それをもとに、集荷業者への引き渡しが始まった時期の3月17~30日の流通先を追跡した。
初回の入札で出した約14.2万トンのうち、落札した集荷業者が農水省から引き取ったのは3%弱の4071トンだった。そこから卸売業者に渡ったのは2761トン。このうち小売店に426トン、飲食店などの業務用に35トンがそれぞれ流れていた。
農水省は「初動のためトラックの手配や精米などの作業の調整に時間がかかった。特別なボトルネックがあるわけではない」(農産局企画課)とみている。
集荷業者から卸売業者への6…