【そもそも解説】欧州難民危機から10年 紛争などで130万人殺到

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ブリュッセル=牛尾梓
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 中東やアフリカから難民認定を求める人たちが押し寄せた「欧州難民危機」から10年が経ちました。新型コロナの流行などで一時は減ったものの、その数は再び当時に迫る高い水準で推移しています。欧州の在り方や各国の政治状況にも大きな波紋を広げた欧州難民危機とは何だったのでしょうか。解説します。

 Q なぜ起きたのか?

 A 紛争や貧困、国内経済の不安定化など複数の要因が重なり、2015年をピークに中東やアフリカから欧州に向けて膨大な数の難民申請者や経済移民が押し寄せた。欧州連合(EU)の統計局によると、同年の難民申請数(EU加盟国とノルウェースイス)は約132万人で、前年の14年から約2倍に急増。第2次世界大戦以降で、最大の規模となった。

 Q どのような国から来た人たちだったのか?

 A 国連難民高等弁務官事務…

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この記事を書いた人
牛尾梓
欧州総局|欧州連合(EU)担当
専門・関心分野
国際政治、データジャーナリズム、AI、OSINT