「学者の国会」法人化法案決議へ 政府介入の懸念と組織分断を嫌う声
竹野内崇宏
「学者の国会」とも呼ばれる日本学術会議を法人化する法案について、学術会議の総会は15日夕にも、賛否を含めた意思表示を行う。政府介入への懸念は強い一方、組織内の分断を嫌い妥結を求める声も上がり、落としどころを探る慎重な動きが見られる。強い反対を決議できないまま、2020年の任命拒否問題以降続く政府の一方的な「組織改正」に押し切られる可能性が高まっている。
「このままでは政府に従属的な疑似ナショナルアカデミーになってしまう」「政府は6人の任命拒否しかできなかったが、法案が通れば次元が異なる介入が可能になる」
14日から都内の庁舎で始まった、学術会議の総会では、会員から厳しい意見が続いた。
学術会議の法人化法案は、現行の「国の特別の機関」を廃止し、独立した特殊法人へと移行するもの。早ければ18日にも国会での審議入りが見込まれるなか、14、15両日の総会で学術会議自身としてどんな意思を示すかが大きな節目であり、焦点となってきた。
学術会議は科学が戦争に動員…