スナックをこよなく愛し、研究した大学教授 その魅力とは

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佐藤陽

 夜の街には欠かせない社交場「スナック」。カウンターの中に「ママさん」がいて、グラスを片手に客たちが会話やカラオケを楽しめる場だ。そんなスナックを愛してやまない研究者がいる。東京都立大学教授の谷口功一さん(52)だ。谷口さんにその魅力を語ってもらった。

 谷口さんは、以前は週2~3回スナック通いをしていたそうだ。いまは仕事が忙しくなり、月に2回ほどになったという。これまで全国の数百店には足を運んだ。

 よく通うのは、東京・多摩地域にあるスナック。自宅からもそう遠くはなく、仕事帰りに寄るという。「職場でも家庭でもない『サードプレース』。地元の常連客らとともに安心してお酒や会話を楽しめます」。話題は、地域のことや政治、経済のことなど様々。時には仕事の愚痴を聴いてもらうことも。「職場の不満をいきなり家庭で発散せずに済みます」。谷口さん自身のメンタルヘルスの維持にも役立っている。

 谷口さんの出身地は大分県別…

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この記事を書いた人
佐藤陽
文化部be編集部
専門・関心分野
終末期医療、看取り、メンタルヘルス
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    鈴木一人
    (東京大学大学院教授・地経学研究所長)
    2025年4月19日17時9分 投稿
    【視点】

    谷口先生、専門は法哲学だが、どうしてもスナック研究に注目が集まってしまう。スナックという公共圏があることで、社会秩序が作られ、地域の人間関係が作られていくという点に着目したのはすごいと思う。特に地方のスナックでは、地元の名士や様々なステーク

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