出社したら倒産の貼り紙…からの天職 37歳で「介護のヒーロー」

有料記事

浜田陽太郎
[PR]

 就活はリーマン・ショックに直撃され、就職先もほどなく倒産、20代での失業……。

 「自分で言うのもなんですが、私は子どもの頃から優しさを持ち味にしてきました。でも残念ながら時代からは優しくされませんでした」

 今年2月、東京・渋谷で開かれたイベントで、西条大地さん(37)はこう切り出した。

 大学は理系。就職活動を始めた2008年にリーマン・ショックが起き、新卒採用が一気に冷え込んだ。

 ようやく就職できたのは、従業員100人ほどの紙の卸売会社。小さな印刷会社を回って営業したが、ペーパーレス化の波で受注は減る一方だった。

 そこに起きた東日本大震災。その秋、出社してみると、会社の倒産を告げる貼り紙がしてあった。

20代で失業の身となった西条さん。かけられたある言葉を機に「天職」にたどり着きます

 働き始めて1年半、23歳で…

この記事は有料記事です。残り2190文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません

この記事を書いた人
浜田陽太郎
論説委員|社会保障担当
専門・関心分野
社会保障、定年後
  • commentatorHeader
    長島美紀
    (SDGsジャパン 理事)
    2025年4月17日16時40分 投稿
    【視点】

    厚生労働省の資料を見ると、介護職員の離職率は低下傾向にあるものの、事業所規模別で見ると事業所の規模が大きくなるほど離職率が低くなる傾向にあり、勤続3年未満での離職が6割を超えており、小規模の事業所ほど離職者の勤続年数が短い傾向にあることが指

    …続きを読む
  • commentatorHeader
    千正康裕
    (株式会社千正組代表・元厚労省官僚)
    2025年4月17日21時57分 投稿
    【視点】

    自分がかつてやってきた官僚の仕事は、お客さんから遠い。目の前の人に感謝されることがほとんどない。霞が関のオフィスにいるだけでは、強い不満や改善を求める人たちとのコミュニケーションばかりだ。 感謝されることもあった。それは自分が作った制度が

    …続きを読む