高村薫さん、万博は「反権力の関西文化と正反対」 でも「行く」理由

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赤田康和
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 関西から現代日本を見つめてきた作家の高村薫さん(72)は13日に開幕した大阪・関西万博をどう見ているのか。大阪府内の自宅で話を聞いた。

 高村さんはお茶を入れながら「残念ながら全く心躍らないんですよ」と語り始めた。「五輪誘致の失敗とのつじつま合わせの側面や、カジノを含む統合型リゾート(IR)誘致と絡んでいるなど、万博誘致の動機が不純に見えてしまうので」

 そもそも現代は科学技術の進歩が速く、商業化が進んでいるので、万博で数十年先の未来の技術を先取りして紹介することは難しい、と高村さんは指摘する。万博で公開される「空飛ぶクルマ」に驚きを感じないのも、そんな背景ゆえというのだ。

 人間の能力を超える可能性がある人工知能(AI)の暴走や、ドローンなどの最先端技術の戦争利用など、科学技術が持つ負の力への懸念も大きい。

 しかも、海外ではパレスチナ

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この記事を書いた人
赤田康和
大阪社会部|災害担当
専門・関心分野
著作権法などの表現規制法制とコンテンツ流通、表現の自由
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    倉田徹
    (立教大学法学部教授)
    2025年4月13日11時3分 投稿
    【視点】

    反権力の関西文化の本質が見えない万博という高村さんのご指摘には同感です。  近年、関西文化から、そういう側面が消えつつあるのではないでしょうか。関西色を出しながらも、東京の与党に接近して「ゆ党」と揶揄される維新の会、政治家を出演させたり、芸

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    綿野恵太
    (文筆家)
    2025年4月13日16時28分 投稿
    【視点】

    ぼくは生まれも育ちも大阪ですが、関西文化ってそもそも「反権力」なんですかね。 関西といっても色々な地域があるし、「反権力」の一言でまとめるのはあまりにも雑です。 あと、関西文化は「無駄だらけでナンセンスなもので、経済効率や合理性に縛られた

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