高校の不登校「努力不足」と指導され 悩む親に中退経験ある専門家は

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構成・狩野浩平

【悩み】高校の不登校、受け皿の情報がない(50代女性・保護者・大阪府)

 高校生の親です。子どもが高校進学後に一時不登校になりました。小・中学校の不登校はよく取り上げられますが、高校進学後や大学は義務教育ではないからか、学校側のサポートは担任によってかなり違います。

 今は頑張って登校していますが、成績が振るわず、担当教師や担任からは「努力が足りない」など、厳しく指導を受けています。不登校だった頃をサボりと捉えておられる様子です。

 義務教育とは違い、欠席日数で留年になるなど、ゆっくり休んでもいられません。学校に合わない生徒は無理して行かない方が良いのでしょうか。だからといって、受け皿の情報も無く、たいへん苦しい毎日です。

教育に関する親子や先生の悩みに答える新コーナー「『学び』の悩み相談室」です。読者の皆さんから寄せられた相談をもとに記者が取材する、双方向性のある内容を目指します。こちらのURLからご投稿ください。(https://forms.office.com/r/6sBtaAQHcg別ウインドウで開きます)

【回答者】星槎大学大学院准教授 土岐玲奈さん

 高校生は公立の小・中と比べ、学校への帰属意識は強い傾向があります。自分で選び、入学を勝ち取ったからこそ、手放したくない。でも学校には行けない。相談者さんのお子さんも、そんな相反する気持ちに苦しんでいるのかもしれません。

 実は高校に行かなくても単位…

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この記事を書いた人
狩野浩平
東京社会部|教育担当
専門・関心分野
いじめ、不登校、子どもの権利、ニューロダイバーシティー、幼児教育、性暴力
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    田中宝紀
    (NPO法人青少年自立援助センター)
    2025年4月15日8時50分 投稿
    【視点】

    義務教育ではないとは言え、ほぼすべての子どもが進学する高校の不登校は親としても気になりますね。 私自身高校を1年生修了時に中退し、人生の夏休みを経て、当時の"大検"、現在の高校卒業程度認定試験を受けて24歳で大学に入学しました。その経験から

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    内田良
    (名古屋大学大学院教授=教育社会学)
    2025年4月17日1時35分 投稿
    【解説】

    教育課題の一つとして、私自身も不登校にはずっと関心をもってきました。ただそれは、記事にもあるとおり、やはり義務教育段階の小学校・中学校における不登校を主な対象とするものでした。 記事が注目した高校の不登校については、教育行政も世論も、関心が

    …続きを読む