第4回NOVAHD社長が明かすM&A戦略 朝日出版社「円満決着」の先は
聞き手・藤田知也
M&A(企業合併・買収)のトラブルに見舞われた朝日出版社は、従業員の抵抗やM&A仲介業者の調整によって「円満」と評される決着を迎えた。新たな買い手に躍り出たNOVAホールディングスの稲吉正樹社長(55)が朝日新聞のインタビューに応じて経緯を振り返り、M&Aの戦略も語った。
――朝日出版社のトラブルはいつ、どのように知りましたか。
「ニュースはあまり把握していなくて、日本M&Aセンターの担当者から『もしもトラブルが収束したら、M&Aに関心はあるか』と連絡を受けたのが最初だ。そのときは現実味がないんじゃないかと思った」
――昨年11月末に朝日出版社の役員を解任された旧経営陣と会ったそうですね。
「最初の連絡から2、3週間くらい後だったと思う。状況を説明したいということで、今までの経緯を聞いた」
「契約を翻すのは難しいんじゃないか」
――旧経営陣の話を聞いて、どう思いましたか。
「僕としては、ちょっとした…