「うるさくない」水素で動く船、子どもらが体験 普及には課題も
大阪・関西万博を前に未来の技術を感じてもらおうと、関西の企業でつくる関西経済連合会が26日、小学生の子どもを持つ家族を招き、水素を燃料とする船の乗船会を開いた。
船はエネルギー大手の岩谷産業などが建造した「まほろば」。水素と大気中の酸素を反応させて電気をつくる燃料電池と蓄電池を搭載しており、モーターで動く。騒音や振動が少なく、航行中に二酸化炭素を排出しないのが特徴だ。
この日は、関経連の会員企業の社員、家族ら約60人が参加。大阪市此花区のユニバーサルシティポートから、万博会場のある同区の夢洲近くまで約50分かけて往復した。大阪府藤井寺市から参加した徳永悠眞さん(12)は「前に乗った(通常の)船と比べてうるさくないし、揺れも少ない。水素は将来、色んな乗り物に使われるとの説明があったが、船以外にも人間のために役立っていくといいなと思った」と話した。
岩谷は、まほろばを「海上のパビリオン」として位置づけて開発。日本で初めて水素燃料電池船を商用化し、万博会場へのアクセスに使う。
ただし、こうした乗り物が本格的に普及するには、水素の製造過程での二酸化炭素排出をどれだけ抑えられるかや、どれだけコストを下げられるかなども課題になる。
21日、まほろばの披露式典…