「ずっと取り残されてきた性教育、今こそ」 尾木ママが動いた理由

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聞き手・島崎周
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 「尾木ママ」こと尾木直樹さんが今、熱を入れるのは「性教育」だ。子ども間の性的いじめ、芸能界で相次いで浮き彫りとなっている性暴力の問題を前に、教員やテレビコメンテーターをしてきた身としても考えることが多いという。なぜ今、性教育が必要なのか、どんな性教育を目指すのか。思いを聞いた。

 ――尾木さんは性教育を受けましたか。

 「僕の子ども時代は昭和30年代ですから、家庭で性の話をするようなことはありませんでした。中学校のころだったかな、雨が降ってグラウンドが使えなくなった時に保健体育の先生がニヤニヤしながら『今日は性教育だー』と言ってね。生徒がざわざわして、落ち着かない雰囲気だった。先生も何かいかがわしいものを扱うような感じでした」

 「今思い出したけれど、小学校5年の時、女子だけが別室に集められたことがあった。男子はサッカーをやっていろと言われたもんだから、終わった後に僕が女子に『何をしてたの?』って聞いたら、『尾木君も大きくなったら分かるよ』って言われました」

生徒の性的トラブル…教師たちの課題だった性教育

 ――性教育に注目するようになったきっかけは何でしょう。

 「もう40~50年ほど前で…

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この記事を書いた人
島崎周
東京社会部|文部科学省担当
専門・関心分野
性暴力、性教育、被害と加害、宗教、学び、人権
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    パトリック・ハーラン
    (お笑い芸人・タレント)
    2025年3月26日14時25分 投稿
    【視点】

    大事な指摘を明るく、楽しく伝えてくれるし、番組などでご一緒するたびに、尾木ママがいてよかった!と思っている次第です。  ぜひ性教育改革を起こしたいが、個人的に、僕は一定の歳になったら「性」を切り離して教育するよりも、保育園ぐらいからずっとフ

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    武田緑
    (学校DE&Iコンサルタント)
    2025年3月26日16時38分 投稿
    【視点】

    語られていること、とても共感しながら読みました。包括的性教育の必要性は高まる一方ですし、国際的なガイダンスも出て追い風は吹いています。草の根の取り組みは学校でも民間でも広がっていますし、若いNPOもがんばっています。 ただ、学校教育の中で進

    …続きを読む