令和の百姓一揆、都心をトラクターでデモ 米高騰の裏で訴えたい惨状

有料記事

座小田英史 山田暢史
[PR]

 米価の歴史的な高騰が続く中、東京都心で30日、米農家や酪農家らによる「令和の百姓一揆」が計画されている。約2千人が集まり、六本木表参道を約30台のトラクターでデモ行進し、米価格の上昇で潤うどころか、高齢化で離農が相次ぎ、生産がおぼつかない農家の惨状を訴える。

【動画】令和の時代に「百姓一揆」 生産者の思い=座小田英史撮影、令和の百姓一揆実行委員会提供

 実行委員会代表の菅野芳秀さん(75)は山形県長井市で1千羽の鶏を飼育しながら、5ヘクタールの水田を耕す循環型農業を行う。「今、洪水のように農家が離農している。農村がなくなろうとしている。農家の労働は時給10円、これでは農家はやっていけない」と訴える。

 農林水産省によると、主に農業を生活の生業とする農家は1960年には約1175万人に上ったが、2000年は約240万人、2020年は約136万人に減った。平均年齢は67.8歳で、49歳以下は全体の1割にとどまる。

クラファンで1500万円

 菅野さんは「農業の衰退は多…

この記事は有料記事です。残り779文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

【春トクキャンペーン】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら

この記事を書いた人
座小田英史
東京社会部|調査報道担当
専門・関心分野
財政、金融、公共事業、調査報道
山田暢史
東京社会部|メディア担当
専門・関心分野
農林水産業、食、武道、災害
  • commentatorHeader
    岩本菜々
    (NPO法人POSSE理事)
    2025年3月26日18時5分 投稿
    【視点】

     支援現場ではお金がなくて食料にアクセスできず、「飢餓」レベルの貧困に苦しむ人が急激に増えています。POSSEが昨年12月に他団体と共同で行った相談会でも、食料を求めて300人以上が押し寄せ、相談者のおよそ7割が「物価が上がり生活が苦しい」

    …続きを読む
  • commentatorHeader
    金暻和
    (韓国在住のメディア人類学者)
    2025年3月27日10時54分 投稿
    【解説】

    トラクターによる行進は、主に農民たちが用いるデモの形態であり、道路を占拠し交通渋滞を引き起こすことで、権利を主張する上で効果的な手段とされている。この手法は、インド、ドイツ、オランダ、ポーランドなど、世界各地で報告されており、大統領の弾劾審

    …続きを読む