ロマンス詐欺「お金取り戻せる」 誇大広告を出した弁護士に懲戒処分

根岸拓朗
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 オンラインのやりとりで恋愛感情を抱かせて金をだまし取る「ロマンス詐欺」をめぐり、事実と異なる誇大広告を出したなどとして、東京弁護士会は24日、高田康章弁護士(46)を業務停止6カ月の懲戒処分にしたと発表した。処分は13日付。

 同会によると、高田弁護士は2023年3月ごろ、ロマンス詐欺は一般的に被害金の回収が難しいことを説明せず、自らに依頼すれば他の弁護士よりも多くの被害金を回収できるという趣旨のネット広告を出した。

 また、詐欺被害に関する依頼者8人との事情聴取などを事務職員に任せ、職員への指導や監督もしなかったという。

 高田弁護士にはロマンス詐欺被害を中心に約400人の依頼者がいるといい、同会は25日から4月4日まで電話相談(03・3581・2403、平日午前10時~午後4時)を受け付ける。

 同会の上田智司会長は「このような事態が生じたことを重く受け止め、弁護士会に対する市民の信頼を確保すべく、弁護士の非行防止に努める」とする会長談話を発表した。

 ロマンス詐欺被害などをめぐっては、被害者が弁護士に費用を払って回復を求めたのに、依頼を放置されるなどの問題が深刻化している。日本弁護士連合会は、弁護士業務の広告指針を2月に改正。高額な回収ができた例のみを紹介するなど不適切な広告を厳しく対処すべきだ、とする考えを示した。

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この記事を書いた人
根岸拓朗
東京社会部
専門・関心分野
司法、人権、ジェンダー