伊能忠敬の測量図など12点、国の重要文化財に 徳島大が収蔵
国の文化審議会は21日、江戸時代に日本国中を測量した伊能忠敬(1745~1818)が製作した測量図など計12点=徳島大学付属図書館所蔵=を、国の重要文化財(美術工芸品)に指定するよう文部科学相に答申した。忠敬が徳島藩主蜂須賀家に献上した測量図で、日本初の実測地図「大日本沿海輿地全図(だいにほんえんかいよちぜんず)」の成立過程を知る上で貴重な資料という。
徳島大の所蔵品で国の重要文化財に指定されるのは今回が初めて。
忠敬が率いた測量隊は1800~16年に10次にわたって全国各地を測量し、精度の高い数々の地図を残した。忠敬の没後、その集大成として「大日本沿海輿地全図」が製作され、幕府へ献上された。
文化財に指定されるのは、主に東日本が描かれた「沿海地図」3点と、西日本各地を収めた「大日本沿海図稿」4点、九州の一部を収めた「豊前国沿海地図」3点、測量図を収めた桐箱(きりばこ)2点。
徳島大によると、沿海地図と大日本沿海図稿はともに縮尺が21万6千分の1の「中図」、豊前国沿海地図は縮尺3万6千分の1の「大図」と呼ばれる。いずれも原図と重ねて、地形に沿って数多くの針穴を通し、精密に複製されていた。
伊能図を長年研究している徳島大の平井松午(しょうご)名誉教授(歴史地理学)は「第7次までの途中段階の測量成果に基づき、日本全体を網羅した沿海地図は貴重。四国だけでも膨大な数の針穴を通して複製されており、高い技術が使われていた」と指摘。測量史や地図史を研究する上で重要な資料という。
地図は竹紙に描かれ、米粉を使って補強されていた。地図の線は水銀朱で引かれ、彩色には「緑青(ろくしょう)」などの顔料や藍が使われていた。桐箱には忠敬の隠居名「勘解由(かげゆ)」の裏書きが残されており、蜂須賀家へ献上された当時の状態をとどめているという。
これらの測量図は、徳島大学付属図書館がインターネット上に設けている「貴重資料高精細デジタルアーカイブ」(https://www.lib.tokushima-u.ac.jp/~archive/)や、伊能図学習システム(https://opac.lib.tokushima-u.ac.jp/library/ja/rare/inohzu
)で公開している。
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