活断層そばで「ビッグバン」再開発 九州一の繁華街「震度6弱」契機

有料記事

飯島健太
[PR]

 20年前、福岡県沖の玄界灘を震源とする「福岡沖地震」が起き、福岡市中心部で震度6弱を記録した。中心部の直下には再び大きな揺れを起こしかねない断層が横たわり、減災のため市が主導する大規模な再開発プロジェクトが進む。ただ、一帯では市がめざす耐震性を下回る建物も少なくない。断層を近くに抱える各地の自治体は、リスクを減らす都市開発を試みている。

 工事現場の囲いの中で、ビルの骨組みとなる何本もの鋼材が地中から突き出る。重機がせわしなく動く区画のすぐ横には、高さ97メートルの新しいビルがそびえ立つ。

 「天神ビッグバン」。九州を代表する繁華街、福岡市中央区の天神地区ではいま、規制緩和でビルの建て替えを促す再開発プロジェクトが進む。市が2015年から着手し、一帯の80ヘクタールを対象に法が規制するビルの容積率と高さを緩和した。これを呼び水に26年末までに約70棟のビルが建て替わる見通しだ。

 再開発の主なきっかけは、福岡沖地震だった。

 玄界灘から中央区を通り、南…

この記事は有料記事です。残り1470文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません

この記事を書いた人
飯島健太
西部報道センター
専門・関心分野
イランを中心とした中東政治、国際政治、核問題、事件、災害
南海トラフ地震

南海トラフ地震

南海トラフ地震の想定震源域は東海から九州の太平洋沖とされ、100年から150年ほどの間隔で、繰り返し巨大地震が起きてきました。今後30年以内に80%程度の確率で起きるとされています。最新のニュースや解説をお届けします。[もっと見る]