「近畿地方のある場所」での体験が生んだ 背筋凍るホラー

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渡辺七海
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 「近畿地方のある場所について」――。2023年、ネット上に投稿され話題を呼び、その後、KADOKAWAから出版されたホラー小説だ。累計発行部数は35万部を超え、フィクションを実録かのようにみせる「モキュメンタリー」ホラー人気を支えている。25年の映画化も決定した。この作品でデビューした作者の背筋さん(35)に、工夫や近畿を舞台とした理由などを聞いた。「ある場所」ってどこなんですか。

 ――詳しい経歴は非公表ですが、出身はどちらですか。

 大阪の出身です。育った市は歴史も深くなく、どちらかというと新しい。どういう地元か聞かれたら、(都会と田舎をかけた)「とかいなか」と言っています。駅前は栄えているけど、ちょっと離れると田んぼも広がり、空気感がすごい好きですね。ホラーは物心ついた頃から好きでした。それこそ3、4歳とか。バスケや陸上もやっていました。大学は京都で、データサイエンスを主に学びました。就職も関西で、19年に上京しました。天王寺のキューズモールやアポロビルはまだありますか。出てから一回も戻ってないんです。

 ――作中には、卒業研究でホ…

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    藤田直哉
    (批評家・日本映画大学准教授)
    2025年3月18日11時45分 投稿
    【解説】

    昨今はジャンルフィクションの中ではホラーがブームで、昨年のベストセラーは、疑似ドキュメンタリー風味のあるホラー(モキュメンタリ―ホラー)が非常に多かったですが、背筋さんの作品にも注目していました。「これは、ホラーに詳しい人、読み慣れている人

    …続きを読む