時速125キロで逆走の死亡事故、「危険運転」に訴因変更請求の背景
浅田朋範
埼玉県川口市で昨秋起きた、酒気帯び運転で高速で逆走した車が引き起こした死亡事故。さいたま地検は今月、自動車運転死傷処罰法違反(過失運転致死)などの罪で起訴されていた中国籍の少年(19)について、より法定刑の重い危険運転致死罪への訴因変更を請求した。一度同罪の適用を見送っていた地検が、今回の請求をした背景とは。
「事故の重大さに見合った罪を償ってほしい思いがある。(危険運転致死罪の適用を)諦めたくなかった」。捜査関係者のひとりは、こう胸の内を明かす。
事故は昨年9月29日早朝に起きた。起訴状などによると、少年は酒気帯びの状態で車を運転して、川口市仲町の直線で一方通行路の市道を逆走。十字路交差点内で時速約125キロで会社役員の男性(当時51)の車に衝突し、男性を死亡させたとされる。捜査関係者によると、少年はカラオケなどで飲酒し、友人を家まで送る途中だった。逮捕後には「一方通行の道路を走行していることに気づき、早く通り抜けようとした」などと供述したという。
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