第10回働き方改革は女性のためだけではない 男性も長時間労働の脱却を

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中山美里

《視点》 中山美里記者

 朝日新聞の「脱・長時間労働」の企画(https://www.asahi.com/articles/ASSDF3QBZSDFUTIL02KM.html)は、編集局の様々な部署で働く20代、30代の記者を中心とした議論から始まった。

 「子育て中、残業と転勤の多い仕事は続けられない」「日本では女性にばかり親ペナルティーがある」「バリキャリについていけない」「男性だって皆がそんなに働きたいわけではない」……。取材班の記者はみな転勤や長時間労働の経験があり「JTC(伝統的日本企業)の特徴のほとんどが、自分たちが働く会社にも当てはまる」という感想も出た。人手不足が深刻化する「8がけ社会」では、働き手から選ばれない企業は生き残れなくなるだろう。

 私自身、「働き方改革」や「ワーク・ライフ・バランス推進」とセットで、「女性が働きやすい」や「働く母親の応援」など女性が主語になるフレーズを多く目にすることに違和感を覚えてきた。子どもを産み育てるのは男女の共同作業だからだ。男性だって働いている。

 長時間労働は、働く人にとっても会社にとってもデメリットのほうが大きいのでは。取材班の疑問は膨らんだ。

 今回の分析では、男性の長時…

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この記事を書いた人
中山美里
デジタル企画報道部
専門・関心分野
データ分析、働き方、ジェンダー、環境
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    本田由紀
    (東京大学大学院教育学研究科教授)
    2025年3月14日6時47分 投稿
    【視点】

    春闘が佳境であるが、労使交渉はこの時期だけでなく不断に必要であるし、交渉内容も賃上げに加えて労働時間や様々な職場のルールも対象とする必要がある。労働者にとって望ましい働き方や生活を実現してゆくための要求を、従業員へのアンケートやシール調査な

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