第3回「ジェンダー先進国」ナミビア、初の女性大統領誕生の陰で募る不安

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ウィントフーク=今泉奏

 アフリカ南部ナミビアで21日、初の女性大統領としてネツンボ・ナンディヌダイトワ氏(72)が就任する。ナミビアは国会議員に占める女性の割合が4割で、世界的な「ジェンダー先進国」だ。政治の世界の男女平等を進めるため、「ゼブラ式」という特別な仕組みを導入している。

【連載】政治とジェンダー 世界の現場を歩く

日本の政界は女性の割合が少ない。改善に向けた取り組みもあまり見られない。ただ、世界に目を向ければ、状況が異なる国もある。市民が声をあげ、あるいは制度を活用して、ジェンダー平等を実現しようとしている。そんな世界の現場を、記者が歩いた。

 大統領選を控えた昨年11月下旬、ナミビアの首都ウィントフークでの与党「南西アフリカ人民機構」(SWAPO)の選挙集会が開かれた。会場には、子どもから年長者まで、男女問わず多くの人が駆けつけた。

 「ナミビアで最初の女性のリーダーとなるのは、ネツンボだ!」。司会者の女性がそう呼びかけると、聴衆は拳を突き上げ、歓声で応えた。

男女が「代わりばんこ」になる「ゼブラ式」

 友人と集会に来ていたヘロ・…

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この記事を書いた人
今泉奏
ヨハネスブルク支局長|サハラ以南アフリカ担当
専門・関心分野
アフリカ、植民地主義、グローバルサウス
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    金暻和
    (韓国在住のメディア人類学者)
    2025年3月14日11時26分 投稿
    【視点】

    社会的弱者への取り組みに対する猛烈なバックラッシュが世界的に広がる今、励みになる記事を受け取った。これまで「先進国」とされてきた欧米諸国が、世界の変革をリードするのが当然とされてきた。しかし、これからは異なる構図が生まれるかもしれないと感じ

    …続きを読む