指導者確保の壁は行政の言い訳 「部活動廃止」は子どもファースト

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聞き手 編集委員・中小路徹
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 国が進めている公立中学校の「部活動の地域移行」。休日活動の移行を本格的にスタートして4月から3年目に入る。進み具合に濃淡がある中、静岡県掛川市は2026年から、部活動を廃止し、平日も合わせて地域クラブ化させる。先進的に取り組む背景を佐藤嘉晃教育長に聞いた。

 掛川市では、市内9中学校の部活動を2026年8月から全て廃止し、平日・休日とも「かけがわ地域クラブ」の活動とします。

 市民や市スポーツ協会・市文化財団が運営する様々なクラブを市が公認し、拠点となる学校などの公共施設で活動するものです。一通りのスポーツや文化活動があり、多くの種目は複数のクラブがあるので、対戦もできます。希望する教職員を含め、地域指導者は市の研修を受ける必要があり、指導者報酬を含めて月数千円の家庭負担があります。

 地域活動とする理由の一つは、子どもたちのニーズに応えるためです。昨年、小学生へのアンケートで中学時に希望する活動を聞いたところ、バドミントンや料理が上位に来ました。それらの部活動は市内の学校にありません。新たな活動環境づくりは学校では難しく、行政が主体性をもって進めるしかありません。

 国は、休日の部活動を先に地…

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この記事を書いた人
中小路徹
編集委員|スポーツと社会
専門・関心分野
スポーツと社会、サッカー、朝鮮半島
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    内田良
    (名古屋大学大学院教授=教育社会学)
    2025年3月14日3時2分 投稿
    【解説】

    部活動の未来に希望がもてるインタビュー記事です。 掛川市は全国に先駆けて、学校部活動の完全地域移行を推進してきました。一方で全国では、指導者や財源の不足により、土日の地域移行(地域展開)さえ難しいとの声が多い状況です。 部活動の地域展開は、

    …続きを読む