「限りある資源を中国に集中せよ」 トランプ米政権の行動原則とは

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聞き手・牧野愛博
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 トランプ米政権がウクライナに侵攻したロシアと停戦交渉を始めました。今後、どのようなインド太平洋戦略を展開するのでしょうか。防衛研究所の新垣拓グローバル安全保障研究室長は、米国の安全保障戦略において、中国が最大の焦点であるという状況は変わっていないと指摘します。

 ――米国が置かれている戦略環境の現状は。

 第1期トランプ政権の時に比べて、一段と厳しい状況です。ロシアによるウクライナ侵攻は今も続いています。中国との戦略的競争も軍事外交分野からAI(人工知能)などの先端技術開発の分野に広がり、激しさを増しています。北朝鮮やイランも、それぞれ中ロとの戦略的パートナーシップ関係を深めています。

 ――米国の安保戦略で最も重要な課題は。

 ウクライナや中東情勢など課題は多くありますが、その中でも最大の焦点は中国だと考えています。米国では近年、中国の行動が米国の安保を脅かしているという認識が、党派を超えて共有されています。

 トランプ政権は1期目で、従来の対中関与政策を対中強硬路線へと大きく転換させました。2期目でも、ルビオ国務長官をはじめ対中強硬派が多く政権入りしています。米中の対立関係は構造化していると考えます。

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ウクライナにとどまらず、パレスチナ情勢や台湾、北朝鮮、サイバー空間、地球規模の気候変動と世界各地で安全保障が揺れています。現場で何が起き、私たちの生活にどう影響するのか。のべ320人以上の国内外の識者へのインタビューを連載でお届けします。

 ――米国は、世界への関与を…

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この記事を書いた人
牧野愛博
専門記者|外交担当
専門・関心分野
外交、安全保障、朝鮮半島
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    阿古智子
    (東京大学大学院総合文化研究科教授)
    2025年3月14日11時0分 投稿
    【視点】

    石破首相が訪米時に一兆ドルの投資を表明し、その1ヶ月後には「日本はコメに700%関税」とアメリカは日本を名指しして批判しています。3月12日、アメリカは日本も例外とせず、全ての貿易相手国に対する25%の鉄鋼・アルミニウム関税をかけました。駆

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