第9回サリン被害者はPTSDの可能性も 1532人をケアしたNPO解散

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黒田早織 小寺陽一郎
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 「どれほど心の支えになってくれたか感謝しかありません」「将来的にどのような症状が出るのか、出ないのか、精神的に不安でした。心強く助かりました」――。2月末に発行された広報誌の最終号には感謝の言葉が並んだ。

 地下鉄サリン事件などの被害者1532人を支援してきたNPO法人「リカバリー・サポート・センター」(東京都新宿区)が、事件から30年を区切りに、3月末で解散する。後遺症に苦しむ被害者の定期検診や精神的ケアを、医師らと連携しながら続けてきた。

 事務局長の山城洋子さん(76)によると、解散は、支援者の高齢化や検診の受診者減少が理由。「被害者の方々の気持ちを少しでも前向きにしたいと活動してきた。終わりだと思うと寂しさが募ります」と話す。

ほぼ毎年、無料の検診を継続

 同法人は事件翌年の1996年から松本・地下鉄サリン事件の被害者支援を続け、2001年にNPOになった。山城さんはNPOを立ち上げた知人から声をかけられ、勤めていた保険会社を辞めて01年から活動を始めた。

 その時、脳裏にあったのは9…

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この記事を書いた人
黒田早織
ネットワーク報道本部|東京駐在
専門・関心分野
司法、在日外国人、ジェンダー、精神医療・ケア
小寺陽一郎
ネットワーク報道本部兼東京社会部
専門・関心分野
事件事故、消費者トラブル、不動産

連載あの時~いま 地下鉄サリン事件30年(全15回)

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