第7回執行まで拘置所で過ごした22年 オウム「教祖」は詐病だったのか

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森下裕介
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 地下鉄サリン事件など13事件で計27人を死亡させ、裁判で一連の事件の首謀者とされたオウム真理教教祖の松本智津夫麻原彰晃)元死刑囚は、2018年7月に死刑が執行されるまで22年余りを東京拘置所で過ごした。拘置所での日々はどのようなものだったのか。

 元死刑囚の死刑執行を巡って遺族が起こした訴訟で、国側は拘置所内での診療の記録を提出していた。

 「うー、うー」

 07年2月、死刑確定から5カ月後の東京拘置所。精神科医師による定期的な問診で、医師が「体調面で困っていることは?」と問いかけると、松本元死刑囚は体を揺らし、そう反応したという。

 診療記録は、拘置所が18年7月6日の死刑執行から1週間前の6月末に法務省に提出した。それによると、起床や就寝、運動、入浴などは、職員の指示に従って規則正しく行い、食事もよく食べていた。

 ただ、松本元死刑囚と医師ら…

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この記事を書いた人
森下裕介
東京社会部|裁判担当
専門・関心分野
司法、刑事政策、人権
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    三木由希子
    (情報公開クリアリングハウス理事長)
    2025年3月13日13時23分 投稿
    【解説】

    遺族の起こした訴訟で国が証拠提出した拘置所内での診療記録、遺族側が証拠提出した日弁連による報告書から客観的に検証が試みられています。訴訟でこれらの記録が証拠提出されたことで、裁判記録としてアクセスできるようになったことの意義は大きいです。死

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