将棋の齊藤優希三段、奨励会三段リーグ新記録 17勝1敗でプロへ
将棋の棋士養成機関「奨励会」の第76回三段リーグの最終17・18回戦が8日、東京都渋谷区の将棋会館で指され、齊藤優希三段(28)が最終戦で敗れたものの、史上初の17勝目を挙げた。4月1日付でプロとなる四段に昇段する。
半年で各18局を戦い、上位2人がプロになる三段リーグは1987年に始まり、過去最高成績は6人が記録した16勝2敗。史上最年少の14歳で四段になった藤井聡太名人・竜王は初参加の三段リーグで昇段したが、成績は13勝5敗だった。
齊藤三段は札幌市生まれ、深浦康市九段門下。5歳の時、大工の祖父が作った盤で将棋を始めた。三段リーグに21歳で初参戦。年齢制限による強制退会の危機を好成績を収めることで回避しながら、14回目の挑戦で新記録を達成した。
最終戦で全勝を果たせなかったことについて、齊藤三段は「最後の1局は激戦で最後勝ちになる局面もあったかなと思うので、それを負けてしまったのは自分の弱さだと反省して、今後頑張っていきたい」と話した。
今回の三段リーグでは炭崎俊毅三段(16)が15勝3敗で2位に入り、プロ入りを果たした。炭崎三段は井上慶太九段門下。現役最年少棋士になる。
炭崎三段は高校に通いながらのプロ入り。「学校の友達に『最後まで頑張って』と言われてモチベーションになりました。温かい人たちばかりで、いい経験をさせてもらっていると思います」と感謝の言葉を口にした。
勉強と将棋を両立しているのがいい影響になっているとし「大学にもいけたら」と話した。