「失敗しても旦那が…」「愛人に」女性の起業阻む言葉 変わるべきは
「わたしの未来を切り拓(ひら)くスキンケア。」
博多湾に浮かぶ能古島(福岡市)。島で育ったツバキ油を使ったスキンケア商品のキャッチコピーだ。
製造・販売する「MEANING」は、山本操さん(44)が2019年に創業した。産後うつや育児に苦労した経験から、同じような境遇の女性らが輝ける商品を作りたいと起業。大好きな能古島の人たちがコロナ禍で観光客が減り困っていると聞き、「役に立ちたい」と商品を考案した。
ほどなく、こうしたストーリーに共感して、買ってくれる人が多いことに気づいた。「自分の経験が誰かの糧になり、必要とされていることはありがたい」と、やりがいにもつながった。
8日は国際女性デー。キャリアの中断や勤務時間の制約が起こりがちな女性の働き方の選択肢として、起業というスタイルに注目が集まっている。しかし、国の調査では、起業家全体に占める女性の割合はまだ2割ほど。ハラスメントの被害報告もあがるなか、起業を後押しする動きも広がっている。
前畑友美さん(40)は、女性の起業などのキャリア支援を事業として手がけてきた。「女性は結婚や出産でキャリアが突然分断されることがあるが、起業なら自分のスケジュールを管理しやすい側面もある」。アクセサリーづくりやライターなど、自分のスキルを生かして小規模な事業を始める人も多いという。
これまでのサポート例には、夫に初期投資を止められたり、「子どもになら金を出せるが、自分には出せない」と悩んだりした人もいる。「夫が稼いでいる場合、『奥さん』として『旦那を立てなくちゃ』と、自己肯定感が下がってしまう」
先輩や投資家からのハラスメント「日常茶飯事」
前畑さん自身も、起業当時は…