「103万円の壁」、結局どうなる? 「幻の壁」は今度こそ消えるか

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岡林佐和
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 新年度当初予算が31日、成立した。この日は税制関連の法律も改正され、所得税がかかり始める年収が、103万円から160万円に引き上げられた。働き手の多くが2万~4万円の減税になり、いわゆる「103万円の壁」も完全になくなった。この壁を意識してきたパートやアルバイトの人たちの「働き控え」は、解消されるのだろうか。

 年収100万円ほどで働く人の多くが、パートなどに就く既婚女性だ。かつて、配偶者(夫)の税が優遇される「配偶者控除」を受けるには、妻の年収を103万円に抑える必要があり、その名残とみられる。実際には「配偶者特別控除」という制度で、税優遇の条件が150万円に引き上げられており、103万円は「幻の壁」だった。

 それも今回の法改正で、「課税最低ライン」と同じ水準の160万円になる。この問題に詳しい東京大学の近藤絢子教授(労働経済学)は「今度こそ本当に『103万円の壁』がなくなるのか、注目している。報道などで知り、103万円で調整する人は少なくなるだろう」とみる。

 ただ、それによって人手不足…

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岡林佐和
経済部
専門・関心分野
税と社会保障、ジェンダー平等政策
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