古代の火星に海? 中国探査機が痕跡を発見「居住可能な環境あった」

上海=小早川遥平

 中国国営中央テレビ(CCTV)は28日、中国の火星探査車「祝融」が火星の地下で古代に海が存在したことを示す証拠を発見したと報じた。中国科学院の研究員が率いるチームの論文が25日(中国時間)に米科学アカデミー紀要(https://doi.org/10.1073/pnas.2422213122別ウインドウで開きます)に掲載された。

 CCTVによると、探査車のレーダーが探知したのは、中・低緯度地域の地表から10~35メートルの深さにある多層の堆積(たいせき)物。層の傾斜などが地球上で海岸線が形成される際の地質学的な特徴と似ているという。

 「祝融」は2021年5月に火星に着陸。過去の研究成果が高緯度地域に集中していたのに対して、人間の活動に適した低・中緯度地域を探査した。今回の研究により、火星にかつて居住可能な環境があったことが裏付けられたと報じている。

 中国は昨年発表した2050年までの宇宙計画で「人類が居住可能な星を探す」という目標を掲げる。CCTVは「大量の水が地下に氷として閉じ込められている可能性があり、将来の火星基地の建設費も大幅に削減されるだろう」としている…

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この記事を書いた人
小早川遥平
上海支局長
専門・関心分野
中国社会、平和、人権
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    藤井涼
    (UchuBiz編集長)
    2025年3月4日12時27分 投稿
    【視点】

    中国は2024年に世界で初めて月の裏側のサンプルを地球に持ち帰るなど、宇宙開発では年々存在感を高めており、月や火星に加えて太陽探査も計画しています。また都市レベルでは、北京市が2028年までに年100回のロケット打ち上げを目指しています。米

    …続きを読む