「有明一番ノリ」、2季ぶり認定ゼロ 冷凍網ノリ色落ち被害広がる
佐賀県産の冷凍網ノリの2回目の入札会が20日、佐賀市で開かれた。前回は荒天などでほとんど出品がなく、実質的に今季初の入札会となったが、出品枚数は前年の初入札会の5割程度にとどまった。県産ノリの最高級ブランド「佐賀海苔(のり)有明海一番」の認定もなかった。秋芽、冷凍網とも認定ゼロは2季ぶり。
この日はノリ養殖を行う全14支所が計6465万6400枚を出品。全国的に品薄のなか、販売総額は約15億5358万円。1枚あたりの単価は最高で80.99円、平均で24.03円と高水準だった。
初摘みノリのうち最高品質と認定される「有明海一番」は、10日までに検査に合格したノリがなかったという。
県有明海漁協によると、寒波が来ても降水量は増えず、少雨で川から海に流れ込む栄養塩が不足し、全域で色落ちが発生。特に河口から遠い沖合の被害が大きく、この日出品されたノリの半分程度は色落ちしているという。
赤潮も発生している。例年より早く河口付近で大型のプランクトンが発生。まとまった雨が降れば真水と海水がかき混ぜられて消えるプランクトンが、沖合に向けて広がったという。
同漁協の深川辰已参事は「全国的にノリが足りない状況。冷凍網の一部を海に張らずにいる漁業者もいるし、ノリ芽の伸びも遅い。一雨で50ミリは降ってほしい。海の状況が良くなれば(保管中の冷凍網を海に張る)3期作もできる」と今後の天候に望みをかけた。
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