米の対外援助担う国際開発局「閉鎖すべき」 マスク氏ら批判強める

有料記事

ワシントン=清宮涼
[PR]

 米国による対外援助の多くを担う米国際開発局(USAID)について、トランプ政権が批判を強めている。国務省は3日、「資金の大部分が米国の中核的な国益に一致していない」として、組織再編を示唆する声明を発表した。USAIDの職員が自宅待機を命じられるなどの混乱も生じており、人道支援などの対外援助に大きな影響を及ぼす可能性がある。

 USAIDは1961年に設立され、米国の海外での人道支援や開発援助といった対外援助を行ってきた。国務省とは独立した組織で、大統領がトップを任命し、上院が承認する。

 だが、トランプ大統領や政権の「政府効率化省」トップで起業家のイーロン・マスク氏は資金の使い道などに批判を強めている。マスク氏は3日、トランプ氏が「USAIDを閉鎖すべきだと同意した」と発言した。

 ルビオ国務長官も3日、訪問…

この記事は有料記事です。残り685文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません

この記事を書いた人
清宮涼
アメリカ総局
専門・関心分野
外交、安全保障、国際政治
  • commentatorHeader
    市原麻衣子
    (一橋大学大学院法学研究科教授)
    2025年2月4日15時9分 投稿
    【視点】

    中露政府が高らかに笑っているのが目に浮かぶ。2024年の米大統領選において、中露はいずれも、現職バイデンに不利に働くような選挙介入を行っていた。ポピュリスト政権が誕生すれば、自ら社会を分断して自壊していくことが予想されるためだろう。現在私た

    …続きを読む
  • commentatorHeader
    三牧聖子
    (同志社大学大学院教授=米国政治外交)
    2025年2月5日0時46分 投稿
    【視点】

    60兆円超の資産を持つ世界1位の富豪が、「政府効率化」のために削減対象にまず見定めたのが、途上国の人々の命を左右する対外援助の組織だった、という事実は、あまりに悲惨で悲劇的だ。マスクのUSAID批判は激烈で、X上で「USAIDは犯罪組織だ」

    …続きを読む
トランプ再来

トランプ再来

2024年の米大統領選で共和党のドナルド・トランプ前大統領が返り咲きました。「米国第一主義」を掲げるトランプ氏の再来は、どんな影響をもたらすのか。最新ニュースをお伝えします。[もっと見る]