校舎真ん中に本と出会う場 太田南小に読書スペース誕生、香川大協力
子どもの読書離れを防ぐため、学校の中で図書室以外にも本を読む環境をつくろうと、高松市立太田南小学校が、新しいスペース「グリーンライブラリー」を誕生させた。香川大学の協力も得て、誰でも利用しやすい空間ができあがった。
太田南小が取り組む「図書室の中の学校プロジェクト」の一環。もともと同校の図書室は3階の端にあり、訪れる児童たちが限られていた。また、800人を超える全校児童が利用するには、狭かったという。これらの課題を克服しようと、本の表紙が見える本棚を廊下のデッドスペースに置いたり、校庭で本を読むイベントの企画をしたりしてきた。
今回、太田南小の依頼を受けて、香川大創造工学部4年の伊勢田乃愛(のあ)さん(22)が空間デザインを担当した。壁を緑色に塗り替え、廃材を再利用するなどして、本棚を作った。隣には机と椅子を用意し、自習場所も設けた。
オープニングセレモニーが1月31日にあり、1~6年生の約70人が集まった。絵本の読み聞かせのあと、児童は新しいスペースで思い思いに読書を楽しんだ。
3年生の矢野美琴(みこと)さん(9)は「新しい場所にわくわくした。絶対にまた来ます」と喜んだ。
グリーンライブラリーは3棟ある校舎の真ん中にあり、渡り廊下のすぐそばで多くの児童が通行する。河田祥司教頭は「本が嫌いな子は図書室に行かないが、こんな場所があれば、本と出会うきっかけになる」と話した。今後も図書室以外でも本を読める環境を増やしていくという。