甘かった市場の楽観論 トランプ大統領が信じる「関税」の意義

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ワシントン=榊原謙
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 トランプ米大統領が1日に表明したメキシコカナダ、中国に対する関税の発動は、同氏の「初志貫徹」を強烈に印象づけた。想定される副作用などお構いなしに関税発動に突き進んだトランプ氏。関税は「脅し」に過ぎず、実施は見送られるのではないかという金融市場などの観測は甘かった。

 1月31日夕。ホワイトハウスで記者団から、3カ国が高関税を免れる道はないのかと問われたトランプ氏は短く答えた。「ノー。ナッシング(何もない)」。関税の発動には妥協の余地が一切ないというメッセージだった。

 トランプ氏は昨年の大統領選中から、不法移民や合成麻薬フェンタニルのメキシコやカナダからの流入に、高関税で対抗すると訴えた。大統領選後の昨年11月下旬時点ですでに、今回の関税の骨格である「カナダ・メキシコに25%」「中国に追加10%」を予告していた。

 それでも、金融市場などでは…

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この記事を書いた人
榊原謙
アメリカ総局|米国経済担当
専門・関心分野
米国経済、世界経済
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    三牧聖子
    (同志社大学大学院准教授=米国政治外交)
    2025年2月2日18時57分 投稿
    【視点】

    トランプ大統領自身もよく語っていることだが、「私は関税男(タリフマン)」いうトランプの言葉は、1897年に第25代米国大統領に就任した共和党のウィリアム・マッキンリーの言葉である。高関税政策を通じて国内産業の保護をはかったマッキンリーを、ト

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